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動物の医学 2018年1月

犬の外耳炎

犬の外耳炎      


外耳炎というのは、様々な原因で外耳道に炎症を起こしてしまう病気です。
そもそも、外耳道とはどこでしょうか?
外耳道とは、耳を外側から見て鼓膜までの耳の穴のことを言います。
奥の方までは暗くてよく見えませんが、耳鏡を使えば見ることができます。

外耳道に炎症を起こしてしまうと、耳を引っかいたり頭をブルブル振ったりする行動をとります。

外耳炎を起こしてしまう原因としては、皮膚炎、角化異常、寄生虫疾患、自己免疫疾患、免疫介在性疾患、感染症、異物、外傷などがあります。
例えば、シャンプーをする際や川などでよく水遊びをする子などは耳の中に水が入ってしまう事がありますが、正常であれば頭を振ったりすることで外に出すので問題ありません。

しかし、何度も耳の中に水が入ってしまいうまく出すことができないと、耳の中が湿った状態が続き、感染を起こしやすく炎症が起きやすい状態になります。
また、体質が関係していることもあり、アレルギーなどがある子は幼い時から耳の痒みが慢性的に起きる場合があります。

では、どのように治療していけばいいのでしょうか? 最も有効なのは、耳を洗浄して健康な状態を保つことです。
状態によって、点耳薬や内服薬も併用しながら治療していきます。 もし、皮膚炎を起こしやすい基礎疾患が耳以外にもあるようなら、その疾患についても同時に治療していかないといけません。 なかなか一回の洗浄や治療で治ることは難しく、慢性化してしまうことが多い病気です。

重症になってくると、場合によっては外科的な治療も必要となることがあります。

予防としては、耳の異変に気づいたら早めに教えてもらい、定期的な洗浄や基礎疾患の治療をすることで悪化させないことが重要です。



正常なきれいな耳
外耳炎を起こしている状態

咳をしている?ケンネルコフって?

 愛犬が、なんだか熱っぽく、咳をしていることが多い‥風邪でもひいたのかな?そんな症状がある場合、それは『ケンネルコフ』という病気かもしれません。  
ケンネルコフとは、ウイルスや細菌などの感染から起こる、伝染性の呼吸器疾患の総称です。  
症状がヒトの風邪に似ていることから、『犬風邪』とも呼ばれています。

ゲホゲホ・ゲーゲーといった、吐きたそうな咳をするのが特徴で、悪化してくると、発熱や元気食欲の低下、膿っぽい鼻水や目やにが出るといった症状が現れます。
特に、仔犬や老犬などはかかりやすいので注意が必要です。  
通常、犬は咳をしないため、咳をしだしたら動物病院で診てもらうことをおすすめします。

咳をする病気はケンネルコフだけでなく、心臓病やフィラリア症、犬ジステンパー、気管虚脱などの場合もあります。
放っておくと、重症化して肺炎になるおそれもありますので早めに受診しましょう。  

ケンネルコフの要因としては、さまざまな病原体が挙げられますが、そのいくつかのウイルスに対してはワクチンが開発されています。
そのため、予防の1つとして仔犬の頃からきちんとワクチン接種を行うことが重要です。
また、どの年齢であっても、定期的に健康診断を受けるとともに、愛犬の居住環境を常に清潔に保ってあげることが大切です。
特に冬場はウイルスが活性化しやすいので保温・保湿を心がけ、愛犬の体調が悪い日には外出を控えたり、散歩中に咳をしている犬との接触を避けるようにしましょう。




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