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犬の鼻が濡れているのは元気な証拠?!

犬の鼻が濡れているのは元気な証拠⁉
こんにちは、看護師の柳田です。
わたしはわんちゃんの鼻を触るのが大好きです!
つるつるぷにぷにで、しっとりしていて気持ちがよくないですか!?

よく、犬の鼻は健康のバロメーターなんていわれたりしますが、それはなぜでしょうか?
今回はそんな犬の鼻の秘密についてお話したいと思います(^^)

ズバリ、犬の鼻が濡れているのには〝理由〟があります。
それは〝ニオイを確実に捉えるため〟なんです。



犬の鼻の構造は大きく3つに分かれていて、まず鼻の穴にあたる部分が「外鼻孔(がいびこう)」…写真①
という部分で、人と違い横にも切れ目が入っています。

これは鼻をひくひく動かすことによって、正面からだけでなく横からも空気を取り込むためです。

つぎにまんなかに入ってる縦線の部分は「上唇溝(じょうしんこう)」…写真②
といい、この部分は常に水分を蓄えていて、ニオイ分子の吸着に役立っています。

3つめは鼻の表面にある細かい溝の部分です。ここは「鼻鏡(びきょう)」…写真③
といわれる部分で、ここでも上唇溝と同様にその溝に水分を蓄えることでニオイ分子を吸着し感度を高めています。

また、鼻の中には温度センサーがあり、左右の気化熱の温度差を感じ取ることで風がどちらから吹いているかを把握することができます。

なんだか難しいですが、簡単に例えると、乾いた手の平よりも濡れた手の平を風にかざした方が、風の向きを判断しやすいですよね!
そんな感じです。

また、濡れた鼻はニオイを感じ取りやすくする役割だけでなく、熱を放散して体温調節をする、という役割も果たしています。

あ!余談ですが、犬の鼻の表面の模様は「鼻紋」と呼ばれていて、人間の指紋のように犬によってそれぞれ違っているそうです。
なんだか愛犬の鼻の模様をじっくり観察してみたくなってきませんか?(笑)
だから、犬にとっては鼻が濡れていることが普通の状態であり、「犬の鼻が濡れているのは元気な証拠」と言われるようになったんですね。

では、犬たちはどうやって鼻を濡らしているのでしょう。
犬の鼻を濡らしている水分は、涙と汗のような分泌物が混ざり合った成分で、目の表面を保護するために分泌される涙が鼻の奥に流れ、鼻の奥にある外側鼻腺という器官から出ている、人間の汗のような分泌液と混ざり合ったものです。
もしくは、自ら舌で鼻を舐めて濡らしていることもあります。

ですが、犬の鼻って乾いていることもありますよね。
鼻が乾いているからといって必ずしも病気や異常な状態というわけではありません。
眠っている時やその前後、また何かに夢中になっている時は乾いていることもあります。
理由としては、眠っている時は目を保護する必要がないために涙も出ないですし、気温が快適であれば体温調節のために熱を放散する必要もないからです。

何かに夢中になりすぎている時は、おそらく鼻を濡らすことすら忘れてしまっているのでしょう。
しかしながら、しょっちゅう鼻が乾いている場合には体調不良が原因の可能性もあります。

例えば、発熱や脱水で乾いていたり、皮膚の病気で鼻の表面に異常が起きている、他には目や鼻の病気で涙や鼻の分泌液が分泌されなくなったり、分泌液の通り道が詰まってしまっているなんてこともあるかもしれません。

鼻の濡れ具合だけで、愛犬の状態を把握することはできませんが、元気食欲はあるか、咳やくしゃみがないか、発熱していないか、下痢や嘔吐がないかなどといったポイントと合わせて、愛犬の健康管理のバロメーターの一つとして観察してみてもいいかもしれませんね。

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避妊手術・去勢手術で防げる病気

避妊・去勢で防げる病気
 
今回は避妊・去勢をした場合にどんな病気が防げるのかお伝えします!
 
不妊手術についてマイナスなイメージをお持ちの方はいませんか?
かわいそう・・・
病気じゃないのに麻酔をかけて手術するの?
など思われる方もいるかもしれません
 
しかし、手術を受ければ問題行動や病気が予防できるのです
大切なわんちゃん・ねこちゃんを病気から守るため、そして飼い主さんも穏やかに過ごすために出来ることをしてあげましょう。
 
猫は発情期を迎えると、大声で鳴いたり、マーキングをしたりする場合があります。
男の子のスプレー行動では立ったままおしりを向けておしっこを吹きかけます。
いつもよりきついにおいが特徴です。
そし女の子はオスをひきつけるために甲高い鳴き声をあげます。
それが一晩中続くことも・・・。
 
わんちゃんの場合は上下関係を示したいという意味でマウンティングや、自分の縄張りを守るためのマーキングを発情期には特に多くその行動が表れます。
 
また、性ホルモンが関係する病気をかなりの確立で防げることも分かっています。
逆に手術をしなければ病気のリスクが高まるということです。
病気の例として下記のようなものがあります
 
●子宮蓄膿症
子宮に細菌が入り、膿がたまってしまう病気。
避妊手術によって子宮を摘出すれば、かからずにすみます
 
●乳腺腫瘍
乳腺に硬いしこり(腫瘍)ができます。
最初の発情を迎える前に手術をしておくと、発症のリスクが低いことが明らかになっています
 
●精巣がん
精巣(睾丸)に腫瘍ができる病気。
睾丸が大きくなるのが特徴。
去勢手術によって睾丸をとってしまえば、かかる心配はありません
 
●前立腺肥大
精巣(睾丸)に腫瘍ができる病気。
睾丸が大きくなるのが特徴。
去勢手術によって睾丸をとってしまえば、かかる心配はありません
 
●卵巣がん
ホルモン分泌が多くなることにより起こります。
交尾経験のないメス猫に多くみられます。
卵巣は転移・再発が多い器官です。
 
 
手術を受ける時期として生後半年から1歳までがベストだと言われています。
そのことにより、乳腺ガンにおいては発症リスクが80%~90%減少します。
その逆に1歳を過ぎると予防効果がなくなることも分かっています。
 
オス・メスともに繁殖を考えてないのであれば、避妊・去勢手術を受けることをおすすめします!
また、術後は体重が増えやすくなります。
体重管理に気をつけましょう。
避妊去勢した子たちに適したご飯も販売しております。
気になることや分からないことがあれば、お気軽に当院にご相談ください
 




猫のシャンプーってどうやるの?!

ネコのシャンプーってどうやるの!?

そもそもネコにシャンプーは必要なのか?そう思う方は多いと思います。
答えは“必ずしも必要ではない”です。
曖昧な答えになってしまいましたが…。

ねこはシャンプーをしなくても自分で毛づくろいを行い、身体を清潔に保つことができます。
生涯一度もシャンプーをしなかった子も多くいます。
ただ、抜け毛や匂い・汚れを落とすためにシャンプーをしたほうがいいこともあります。

ではどうやってシャンプーをしたらいいのでしょうか?
基本的にネコは水が嫌いな動物です。
無理に入れて怒られた!なんて経験のある方もいらっしゃると思います。
どんなネコもいきなりシャンプーをするのは嫌がります。
まずはシャンプーをする前にブラッシングを行うことから始めましょう!

身体に触られることに慣れなければシャンプーは行えません。

ブラッシングになれたらシャンプーを行ってみましょう。
シャンプーの頻度は半年に1回程で十分です。
頻繁にシャンプーを行うと毛がバサバサになり皮膚にも悪影響です。

準備するもの
・ネコ専用シャンプー&リンス
・ペット用バスタブ(100均などに売っているランドリーバスケットでもOK)
・バスタオル
・ドライヤー
・ブラシ
【当院はネコ専用シャンプーをたくさんご用意してます☺】


シャンプー方法

ブラッシングをする
シャンプー前にブラッシングを行い、毛のもつれや毛玉を除去する 濡らす バスタブに入れてお湯をかける。
お湯の温度は人肌程度のぬるめ! 離して濡らすと水しぶきにビックリしてしまいます。
シャワーヘッドをねこに密着させてぬらしましょう!
シャワーヘッドを嫌がる場合は、あらかじめバスタブに1/3ほどお湯をはっておき、ゆっくりお湯の中に入れてあげましょう。
洗う 洗う順番は背中➡お腹➡足➡尻尾➡(顔) 顔を無理に洗うのはNG!
シャンプーが目に入ると目を傷つける恐れがあるので、顎だけ洗ったり、濡れたタオルで拭くくらいにしておきましょう。



 すすぐ
上から下へすすいでいきます。
ねこは自分の毛を舐めるので、シャンプー成分が毛に残らないようしっかりとすすぎましょう。  
  
乾かす
しっかりとタオルドライをしましょう!
セームタオルなど吸収性の高いものを使うとドライヤーの使用時間が短くなり、ネコのストレスを軽減できます。
タオルドライが終わったらドライヤーで乾かしていきます。
ブラシを使いながら行うと乾きが早く毛並みも整います。
ドライヤーのスイッチはネコの見えないところで入れ、少しずつ近づけてビックリさせないようにしましょう。
ドライヤーの風を目に当てないように注意して乾かしましょう。

【冷やさないように部屋を暖かくしておこう!】


シャンプー後のネコちゃんは良い匂い&ふわふわでとても気持ちが良いです。
しかし、シャンプーをしないとダメ!ということはありません。
極端に水に濡れるのを嫌がる子へのシャンプーはネコにも人にもストレスがかかります。
その子の性格を考慮しシャンプーに挑戦してみましょう!


犬の爪と猫の爪



犬の爪は、1本の肢に4~5つあります。
5つ目の爪は狼爪と呼ばれており、中にはない子もいますが、先祖であるオオカミからの名残と言われています。
爪切りをするうえで忘れがちなのが、この狼爪です。
地面に接していないため、普段の生活で削れることはありません。

そのため、伸び続けると巻き爪になってしまい、肉球に食い込んでしまうこともあります。

そうなると、傷口から菌が入り炎症を起こしてしまいます。
また、他の爪も伸ばしすぎてしまうと、中を走っている神経や血管も一緒に伸びてしまうため、短く切ることができなくなってしまいます。

伸びすぎた爪がカーペットやマットに引っかかって折れてしまうこともあります。
散歩や外に連れ出す機会が多く、運動量の多い子は地面に擦れて自然と少しずつ削れていきますが、室内犬や運動量の少ない子は削れにくいため、こまめにチェックしましょう。
爪の長さは、立った時に爪の先が地面につかない程度が理想的です。

フローリングの上で爪がカチャカチャと音が鳴るようであれば切ってあげましょう。



猫は犬と異なり、自分で爪とぎをします。
爪をとぐことで、爪の古い層が剥がれて形が整い、一定の長さまでしか伸びません。
しかし、爪が短くなるわけではないため、カーペットやマットに引っかかって折れてしまったり、引っ掻かれて怪我をする恐れがあります。

また、老猫になると自分で爪とぎをしなくなり、爪が太くなって巻き爪になってしまいます。

そのため、猫も同様に定期的に爪切りをすることをお勧めしています。
実際に爪切りを行う際は、怖がらせないように気を付けましょう。
白い爪であれば、横から見ると中の血管が薄いピンク色に透けて見えます。
黒い爪の場合はどこまで血管が伸びているか外からは分からないため、少しずつ切るようにしましょう。

嫌な思いや痛い思いをすると爪切りを嫌いになってしまいます。

万が一、爪の中の神経や血管を切って出血してしまったら、しばらくティッシュなどで抑えれるか、止血剤を使いましょう。

それでも出血が止まらなければご来院ください。

また、爪切りは慣れが大切です。
小さいうちから爪切りの練習をしたり、大きくなった後でも、一気に切るのではなく1日に数本ずつ切ってご褒美をあげたりしながら爪切りは怖いものではないことを教えてあげましょう。

当院では爪切りのみも行っております。
家での爪切りが難しかったり、やり方がわからなければご相談も可能です。
お気軽にご来院ください。




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