動物の医学

犬の爪と猫の爪



犬の爪は、1本の肢に4~5つあります。
5つ目の爪は狼爪と呼ばれており、中にはない子もいますが、先祖であるオオカミからの名残と言われています。
爪切りをするうえで忘れがちなのが、この狼爪です。
地面に接していないため、普段の生活で削れることはありません。

そのため、伸び続けると巻き爪になってしまい、肉球に食い込んでしまうこともあります。

そうなると、傷口から菌が入り炎症を起こしてしまいます。
また、他の爪も伸ばしすぎてしまうと、中を走っている神経や血管も一緒に伸びてしまうため、短く切ることができなくなってしまいます。

伸びすぎた爪がカーペットやマットに引っかかって折れてしまうこともあります。
散歩や外に連れ出す機会が多く、運動量の多い子は地面に擦れて自然と少しずつ削れていきますが、室内犬や運動量の少ない子は削れにくいため、こまめにチェックしましょう。
爪の長さは、立った時に爪の先が地面につかない程度が理想的です。

フローリングの上で爪がカチャカチャと音が鳴るようであれば切ってあげましょう。



猫は犬と異なり、自分で爪とぎをします。
爪をとぐことで、爪の古い層が剥がれて形が整い、一定の長さまでしか伸びません。
しかし、爪が短くなるわけではないため、カーペットやマットに引っかかって折れてしまったり、引っ掻かれて怪我をする恐れがあります。

また、老猫になると自分で爪とぎをしなくなり、爪が太くなって巻き爪になってしまいます。

そのため、猫も同様に定期的に爪切りをすることをお勧めしています。
実際に爪切りを行う際は、怖がらせないように気を付けましょう。
白い爪であれば、横から見ると中の血管が薄いピンク色に透けて見えます。
黒い爪の場合はどこまで血管が伸びているか外からは分からないため、少しずつ切るようにしましょう。

嫌な思いや痛い思いをすると爪切りを嫌いになってしまいます。

万が一、爪の中の神経や血管を切って出血してしまったら、しばらくティッシュなどで抑えれるか、止血剤を使いましょう。

それでも出血が止まらなければご来院ください。

また、爪切りは慣れが大切です。
小さいうちから爪切りの練習をしたり、大きくなった後でも、一気に切るのではなく1日に数本ずつ切ってご褒美をあげたりしながら爪切りは怖いものではないことを教えてあげましょう。

当院では爪切りのみも行っております。
家での爪切りが難しかったり、やり方がわからなければご相談も可能です。
お気軽にご来院ください。




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