動物取扱業
事務所の名称
東浦和動物医療センター
ドルフィンアニマルホスピタル
事業所の所在
さいたま市緑区東浦和7-5-2
登録に係る動物取扱業の種別
保管
動物取扱責任者の名前
荒島紘一郎
登録番号
900
登録年月日
2021年2月16日
登録更新年月日
有効期限の末尾
2026年2月15日
動物の医学 2ページ目
猫の眼の色について
突然ですが、ねこの眼をまじまじと見たことはありますか?
あまり見つめすぎるとねこちゃんが怖がってしまうのでほどほどにしないといけないのですが、みんな綺麗な色をしていますよね。
何匹かを見比べると、その子によって色が違うことに気が付くかもしれません。
ねこの眼の色はいろいろありますが、大きく分けると3種類に分けられると思います。
それは黄色(もっと濃くなると褐色)、緑色、そして青色です。
なぜその子によって眼の色が違うのかというと、眼の虹彩という部分のメラニン色素の量によって変化するためです。
子猫はまだ虹彩にメラニン色素が沈着していないため、灰色のようにもみえる青色の目をしており、これは「キトンブルー」と呼ばれます。
早いと2ヵ月齢頃から色素が沈着し始め、その子本来の色に変っていきます。
その子がどんな眼の色になるかは遺伝によって決まっており、シャムやラグドールなどの一部の猫種は必ず青い眼になります。
また遺伝によって決まっているので、毛色からある程度推測することもできます。
例えば、黒猫は黄色か緑色がかった色にしかならないようですし、白猫は青色のことが多いようです。
なぜメラニン色素が少ないと青く見えるのかというと、例えば晴れた空が青く見えるように、青く見える光の波長が多く散乱することによってそう見えるようです。この現象をレイリー散乱といいます。
かつてルネサンス期、レオナルド・ダ・ヴィンチは遠くにある物ほど青く霞んで見えることに気づき、絵画においてそれを表現しようとしました。その技法は空気遠近法と呼ばれるものです。
ねこの眼においては霞むということは関係ありませんが、光とその見え方について、多少通ずるものがあるように個人的に感じました。
さて、話が少し脱線しましたが、ねこの眼には、虹彩の色が左右の眼で違うオッドアイや、1つの虹彩に2色がはっきりと出ているダイクロイックアイもあるようです。
オッドアイは白猫に多く、青い眼の側に聴覚障害を伴う場合が多いことが知られています。
オッドアイはある程度知られていると思いますが、私はまだダイクロイックアイの子に出会ったことはありません。
皆様の周りにはオッドアイやダイクロイックアイのねこちゃんはいるでしょうか。
最後に、キトンブルーがどのように変っていくのかご存知ですか?
眼の中心付近からでしょうか?
反対に、辺縁からでしょうか?
それとも規則性はなく、その子によって異なるのでしょうか?
正直に申し上げますと、実は私もわかりません。
しかし5月に捨て猫を保護し、新たな家族として迎えたので、今その子の眼を観察しています。
まだ完全には変っていませんが、どうやらうちの子は辺縁から黄色か緑色のような色に変っているように見えます。
子猫を飼い始めたら身体の成長と共に、眼の色の変化にも注目してみてはいかがでしょうか。
将来いい思い出になると思います。
またもう成猫の子も、その眼の色はその子だけの色です。
そう考えると、より愛おしくなりませんか。
以上、ねこの眼の色について簡潔にご紹介いたしました。
炎症性大腸ポリープ
腸管にできるポリープには、腫瘍性のものと非腫瘍性のものがあります。
今回ご紹介するのは、中高齢のミニチュア・ダックスフンドに好発する非腫瘍性のポリープです。
病態はいまだに解明されていませんが、免疫抑制療法が有効であることから免疫学的なものが関係していると考えられています。
症状として、しぶりや血便、下痢などの消化器症状が認められます。
また、ポリープが肛門から飛び出してくることもあります。
ポリープが腫瘍性なのかそうでないのかを診断するためには、内視鏡検査による組織生検が必要になります。
内視鏡検査をすることで、腸管の状態を肉眼でも確認することが可能です。
当院で行った内視鏡画像は以下の通りです。
いくつものポリープが確認でき、出血も見られます。
治療は、免疫を抑える薬を使用します。
症状を見ながら薬を減らしていきますが、なかには薬を完全に切れずに長期で服用しなければならない子もいます。
また、内科療法に反応がない場合やポリープが大きい場合、外科的に摘出することも検討します。
ご自宅の子で血便やしぶりが見られた際は、ご相談ください。
尿の取り方で困ったことはありませんか?
尿検査はわんちゃん・ねこちゃんにとってとても大事な検査です。
基本的には自宅で採尿して頂きますが、「尿はどうやって採取するのー??」 そんな悩みにお答えします\(◎o◎)/
① トレイ まずは尿をじかに受け取る方法です。
受け取る容器は何でも構いません (きれいに洗ったものを使ってね)
排尿体制になり出始めてからサッと容器で受け止めます。
② ペットシーツ裏返し
普段からペットシーツで トイレをしている子には簡単です!
ペットシーツの裏面は 水分をはじく構造になっていますので、 普段ペットシーツを置いている場所に 裏返して敷いておきます。
③ システムトイレを使う
システムトイレは尿が砂を素通りして下にある トレー内に落ちる仕組みになっています。
トレーに溜まった尿をスポイト等で移し替えるだけです。
④ 猫砂を少なくする
砂を少なくしてスポイトで採取する方法
※採尿する時の量はお渡しする尿検査用スピッツの 半分程度は採取していただけると確実に検査することが可能です!
どうしても採取が難しい場合は、無理せず獣医にお任せください。
犬や猫にも糖尿病Ⅰ型Ⅱ型ってあるの?
身近な人でも「糖尿病予備軍」なんて言われて耳にする機会が多いこの病気ですが、
ヒトだけではなく犬や猫も同じように発症する病気です。
ヒトではよくⅠ型、Ⅱ型といいますが、この違いわかりますか?
また、わんちゃんや猫ちゃんはどちらの型なのでしょうか
まずはⅠ型とⅡ型の違いから
日本人の約95%はⅡ型の糖尿病と言われています。
Ⅱ型糖尿病は 遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病します。
インスリンの効果が出にくくなったり、分泌のタイミングが悪くなったりします。
生活習慣の見直し行うと改善したり、インスリン注射が必須ではありません。
残りの5%のⅠ型糖尿病は膵臓のβ細胞が壊れてしまい、まったくインスリンが分泌されなくなってしまいます。
インスリンを体外から補給しないと生命に関わるため、インスリン注射を欠かしてはなりません。
Ⅰ型は子供や若い人に多く、Ⅱ型は中高年に発症することが多い病気です。
では、犬や猫はどうでしょうか。
猫の8割はⅡ型糖尿病と言われています。
日本人と同じようにⅡ型の方が圧倒的に多いんですね!
犬はどうでしょうか・・・?
実は犬はどちらの型だか不明なことが多いようです。
ほとんどは猫や日本人と同じようにⅡ型から発症したものと推測されるようですが、
実際わんちゃんが具合が悪くなって病院に来る頃には病状が進んでいるため、
Ⅰ型と同じようにインスリン注射が治療には欠かせなくなります
日ごろから規則正しい食生活と適度な運動、ノンストレスを心がけて
私たちも大切なワンちゃんネコちゃんも一緒に健康維持をしていきたいですね
レッグペルテス症
この病気は、T.プードルなどの若齢の小型犬で多く発生する後肢の病気です
成長期に骨盤側の大腿骨の血流が部分的に阻害されることで、大腿骨の一部が壊死を起こします。
その結果、関節炎が引き起こされ、痛みを生じます。
基本的には片側の後肢で発症しますが、両側の後肢で発症することもあります。
症状として、後肢を触ると痛がる様子や、歩く際に足を挙上する仕草を見せます。
これらの仕草は徐々に悪化する場合、正常な後肢に比べ、罹患側の後肢の筋肉が萎縮します。
治療は主に手術によって行われます。
壊死した大腿骨の一部を切除することで、痛みの原因をとり除きます。
手術後は足の機能回復するために積極的なリハビリが必要となり、およそ数週間かけて歩行が可能です。
鎮痛剤や運動制限などの内科療法で一時的に疼痛が緩和することもありますが、根本的な治療法ではないため再発するケースがほとんどです。
左が手術前の股関節のレントゲン。
矢印が、壊死を起こしている部位で、黄矢印は左右の筋肉量の差を示しており、罹患側の筋肉が萎縮してます。
右が手術後のレントゲンで、壊死部が切除された状態。
子宮蓄膿症とは?
今回は避妊手術をすることで予防をすることが出来る子宮蓄膿症についてです。
症状としては子宮が広い範囲にわたって炎症をおこすため、飲水量が多くなり、尿量が増えます。
他には、腹部膨満、発情回数、日数の増加、食欲不振、発熱、嘔吐などです 原因は子宮が最近に感染して炎症をおこし、
その結果生じた膿が子宮の内部にたまることから起こります 。
発情期には子宮の頸部がゆるむために細菌が侵入しやすくなりますが、子宮は細菌を防ぐ仕組みももっており、通常は炎症をおこすことはまれです。
しかし出産経験のない子やかなり前に一度だけ出産した子などは卵巣の異常をおこしやすく、
発情期の後にも卵巣に黄体が残ることがあります。
このとき黄体はプロゲステロン(黄体ホルモン)を出すために子宮内膜が増殖し、子宮が細菌に感染しやすくなります。
診断のしかたは超音波検査により子宮が膨らんでいるかで診断が可能です。
通常、子宮はエコー検査でははっきり映ることはありません。
画像の子宮は膿がたまって膨らんでいる様子です。
また、血液検査もおこないます。
この病気になると普通血液中の白血球の増加がみられます。
まれに血液を作る働きがおさえられて、逆に数が減少することもあります。
治療方法は外科手術により子宮を摘出するのが原則です。
今後、子供を生ませる予定がある場合や高齢などの事情により手術できない場合は黄体を減らす働きがあるホルモン剤を投与して治療することも可能です。
この場合、根本的な治療ではないので完全に治癒させるには外科的な処置が必要となります。
高齢で発症してしまうと麻酔が必要な外科的な処置が出来ない場合があり死に至ってしまうこともあります。
子供を生ませる予定がない子の場合は避妊手術をすることで予防ができるので若いうちでの手術をお勧めします。
犬・猫の誤飲について
犬、猫では異物による嘔吐もよく見かけます。
犬では、口に入る大きさのものであれば、どんなものでも飲み込む可能性があります。
猫でも、スポンジや消しゴムといったものから、リボンや糸などを飲み込んでいる事もあります。
胃の中でとどまっている場合には、食欲が変わらなかったり、定期的な嘔吐しかでないこともあります。
しかし、腸に異物が入っていった場合は、強く症状が出る事が多いです。
異物により腸が閉塞しかけたり、完全に閉塞をすると、ひどい嘔吐や、ぐったりしたり、発熱する事もあります。
特に閉塞状態が起こると、腸が壊死を起こし始め、場合により、そのまま亡くなってしまう事もあります。
胃の異物であれば、内視鏡で取り出せる事もありますが、ものによっては開腹手術になることも多いです。
にある場合は基本的には開腹手術をおこないますが、腸の状態によっては腸を切除してつながないといけないときもあり、大きな手術になることもあります。
異物は身の回りにあるものがほとんどなので、普段から手の届かないところにしまっておくか、おもちゃなども必ず片付けるように心がけてください。
実際にはこの3倍入っていました
猫の慢性口腔内疾患について
お家の猫ちゃん、ヨダレ、口を気にする、口が臭いなどの症状はありませんか?
もしかしたら口内炎になっているかもしれません!
猫ちゃんには慢性歯肉口内炎という特有の病気があります。
慢性歯肉口内炎とは、猫には猫特有の難治性の病気です。
この病気は若い年齢(3~4歳頃)で発症してしまうことが多く、口の中が赤くただれたり、ひどい場合には潰瘍や出血がみられたりもします。
症状が出る場所や状態によって口内炎・歯肉炎・歯周病・破歯細胞性吸収病巣と呼ばれたりしますが、区別が難しく、それぞれが併発したりもします。
症状としては、私達が口内炎になれば、口の動きが悪くなり、常に痛くて憂鬱な気持ちになって、痛みでご飯を食べるのも億劫になります。
それが口の中全体に及ぶものだと考えると、猫の慢性歯肉口内炎とは想像を絶する痛みでしょう。
特徴としては、ねばねばしたヨダレが出て、口の周りが汚れ、独特の口臭がします。
痛みが伴い、時間が経つにつれて、ご飯が食べられなくなり、毛づくろいも難しくなり、イライラする事も増えるでしょう。。。
そうなってしまったら、今度は内臓の病気になってしまうかも、、、
そうなる前に、少しでも症状が見られた場合は是非早めに病院にご相談ください!
犬の外耳炎
外耳炎というのは、様々な原因で外耳道に炎症を起こしてしまう病気です。
そもそも、外耳道とはどこでしょうか?
外耳道とは、耳を外側から見て鼓膜までの耳の穴のことを言います。
奥の方までは暗くてよく見えませんが、耳鏡を使えば見ることができます。
外耳道に炎症を起こしてしまうと、耳を引っかいたり頭をブルブル振ったりする行動をとります。
外耳炎を起こしてしまう原因としては、皮膚炎、角化異常、寄生虫疾患、自己免疫疾患、免疫介在性疾患、感染症、異物、外傷などがあります。
例えば、シャンプーをする際や川などでよく水遊びをする子などは耳の中に水が入ってしまう事がありますが、正常であれば頭を振ったりすることで外に出すので問題ありません。
しかし、何度も耳の中に水が入ってしまいうまく出すことができないと、耳の中が湿った状態が続き、感染を起こしやすく炎症が起きやすい状態になります。
また、体質が関係していることもあり、アレルギーなどがある子は幼い時から耳の痒みが慢性的に起きる場合があります。
では、どのように治療していけばいいのでしょうか? 最も有効なのは、耳を洗浄して健康な状態を保つことです。
状態によって、点耳薬や内服薬も併用しながら治療していきます。 もし、皮膚炎を起こしやすい基礎疾患が耳以外にもあるようなら、その疾患についても同時に治療していかないといけません。 なかなか一回の洗浄や治療で治ることは難しく、慢性化してしまうことが多い病気です。
重症になってくると、場合によっては外科的な治療も必要となることがあります。
予防としては、耳の異変に気づいたら早めに教えてもらい、定期的な洗浄や基礎疾患の治療をすることで悪化させないことが重要です。
咳をしている?ケンネルコフって?
ケンネルコフとは、ウイルスや細菌などの感染から起こる、伝染性の呼吸器疾患の総称です。
症状がヒトの風邪に似ていることから、『犬風邪』とも呼ばれています。
ゲホゲホ・ゲーゲーといった、吐きたそうな咳をするのが特徴で、悪化してくると、発熱や元気食欲の低下、膿っぽい鼻水や目やにが出るといった症状が現れます。
特に、仔犬や老犬などはかかりやすいので注意が必要です。
通常、犬は咳をしないため、咳をしだしたら動物病院で診てもらうことをおすすめします。
咳をする病気はケンネルコフだけでなく、心臓病やフィラリア症、犬ジステンパー、気管虚脱などの場合もあります。
放っておくと、重症化して肺炎になるおそれもありますので早めに受診しましょう。
ケンネルコフの要因としては、さまざまな病原体が挙げられますが、そのいくつかのウイルスに対してはワクチンが開発されています。
そのため、予防の1つとして仔犬の頃からきちんとワクチン接種を行うことが重要です。
また、どの年齢であっても、定期的に健康診断を受けるとともに、愛犬の居住環境を常に清潔に保ってあげることが大切です。
特に冬場はウイルスが活性化しやすいので保温・保湿を心がけ、愛犬の体調が悪い日には外出を控えたり、散歩中に咳をしている犬との接触を避けるようにしましょう。
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