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動物の医学

レッグペルテス症

レッグ・ぺルテス病

この病気は、T.プードルなどの若齢の小型犬で多く発生する後肢の病気です
成長期に骨盤側の大腿骨の血流が部分的に阻害されることで、大腿骨の一部が壊死を起こします。
その結果、関節炎が引き起こされ、痛みを生じます。

基本的には片側の後肢で発症しますが、両側の後肢で発症することもあります。

症状として、後肢を触ると痛がる様子や、歩く際に足を挙上する仕草を見せます。
これらの仕草は徐々に悪化する場合、正常な後肢に比べ、罹患側の後肢の筋肉が萎縮します。

治療は主に手術によって行われます。
壊死した大腿骨の一部を切除することで、痛みの原因をとり除きます。
手術後は足の機能回復するために積極的なリハビリが必要となり、およそ数週間かけて歩行が可能です。
鎮痛剤や運動制限などの内科療法で一時的に疼痛が緩和することもありますが、根本的な治療法ではないため再発するケースがほとんどです。

獣医師 香取




左が手術前の股関節のレントゲン。
矢印が、壊死を起こしている部位で、黄矢印は左右の筋肉量の差を示しており、罹患側の筋肉が萎縮してます。
右が手術後のレントゲンで、壊死部が切除された状態。

子宮蓄膿症とは?

お家のわんちゃん、ねこちゃんの避妊手術はしていますか?

今回は避妊手術をすることで予防をすることが出来る子宮蓄膿症についてです。

症状としては子宮が広い範囲にわたって炎症をおこすため、飲水量が多くなり、尿量が増えます。
他には、腹部膨満、発情回数、日数の増加、食欲不振、発熱、嘔吐などです 原因は子宮が最近に感染して炎症をおこし、
その結果生じた膿が子宮の内部にたまることから起こります 。

発情期には子宮の頸部がゆるむために細菌が侵入しやすくなりますが、子宮は細菌を防ぐ仕組みももっており、通常は炎症をおこすことはまれです。

しかし出産経験のない子やかなり前に一度だけ出産した子などは卵巣の異常をおこしやすく、
発情期の後にも卵巣に黄体が残ることがあります。

このとき黄体はプロゲステロン(黄体ホルモン)を出すために子宮内膜が増殖し、子宮が細菌に感染しやすくなります。

診断のしかたは超音波検査により子宮が膨らんでいるかで診断が可能です。
通常、子宮はエコー検査でははっきり映ることはありません。
画像の子宮は膿がたまって膨らんでいる様子です。

また、血液検査もおこないます。
この病気になると普通血液中の白血球の増加がみられます。
まれに血液を作る働きがおさえられて、逆に数が減少することもあります。

治療方法は外科手術により子宮を摘出するのが原則です。
今後、子供を生ませる予定がある場合や高齢などの事情により手術できない場合は黄体を減らす働きがあるホルモン剤を投与して治療することも可能です。
この場合、根本的な治療ではないので完全に治癒させるには外科的な処置が必要となります。

高齢で発症してしまうと麻酔が必要な外科的な処置が出来ない場合があり死に至ってしまうこともあります。

子供を生ませる予定がない子の場合は避妊手術をすることで予防ができるので若いうちでの手術をお勧めします。

看護師 鈴木潤也


犬・猫の誤飲について

異物

犬、猫では異物による嘔吐もよく見かけます。
犬では、口に入る大きさのものであれば、どんなものでも飲み込む可能性があります。

猫でも、スポンジや消しゴムといったものから、リボンや糸などを飲み込んでいる事もあります。

胃の中でとどまっている場合には、食欲が変わらなかったり、定期的な嘔吐しかでないこともあります。
しかし、腸に異物が入っていった場合は、強く症状が出る事が多いです。

異物により腸が閉塞しかけたり、完全に閉塞をすると、ひどい嘔吐や、ぐったりしたり、発熱する事もあります。
特に閉塞状態が起こると、腸が壊死を起こし始め、場合により、そのまま亡くなってしまう事もあります。

胃の異物であれば、内視鏡で取り出せる事もありますが、ものによっては開腹手術になることも多いです。
にある場合は基本的には開腹手術をおこないますが、腸の状態によっては腸を切除してつながないといけないときもあり、大きな手術になることもあります。

異物は身の回りにあるものがほとんどなので、普段から手の届かないところにしまっておくか、おもちゃなども必ず片付けるように心がけてください。

獣医師 荒島


実際にはこの3倍入っていましたthunder

猫の慢性口腔内疾患について

猫の慢性口腔内疾患

お家の猫ちゃん、ヨダレ、口を気にする、口が臭いなどの症状はありませんか?
もしかしたら口内炎になっているかもしれません!

猫ちゃんには慢性歯肉口内炎という特有の病気があります。
慢性歯肉口内炎とは、猫には猫特有の難治性の病気です。

この病気は若い年齢(3~4歳頃)で発症してしまうことが多く、口の中が赤くただれたり、ひどい場合には潰瘍や出血がみられたりもします。
症状が出る場所や状態によって口内炎・歯肉炎・歯周病・破歯細胞性吸収病巣と呼ばれたりしますが、区別が難しく、それぞれが併発したりもします。

症状としては、私達が口内炎になれば、口の動きが悪くなり、常に痛くて憂鬱な気持ちになって、痛みでご飯を食べるのも億劫になります。
それが口の中全体に及ぶものだと考えると、猫の慢性歯肉口内炎とは想像を絶する痛みでしょう。

特徴としては、ねばねばしたヨダレが出て、口の周りが汚れ、独特の口臭がします。

痛みが伴い、時間が経つにつれて、ご飯が食べられなくなり、毛づくろいも難しくなり、イライラする事も増えるでしょう。。。

そうなってしまったら、今度は内臓の病気になってしまうかも、、、
そうなる前に、少しでも症状が見られた場合は是非早めに病院にご相談ください!

看護師 大里

犬の外耳炎

犬の外耳炎      


外耳炎というのは、様々な原因で外耳道に炎症を起こしてしまう病気です。
そもそも、外耳道とはどこでしょうか?
外耳道とは、耳を外側から見て鼓膜までの耳の穴のことを言います。
奥の方までは暗くてよく見えませんが、耳鏡を使えば見ることができます。

外耳道に炎症を起こしてしまうと、耳を引っかいたり頭をブルブル振ったりする行動をとります。

外耳炎を起こしてしまう原因としては、皮膚炎、角化異常、寄生虫疾患、自己免疫疾患、免疫介在性疾患、感染症、異物、外傷などがあります。
例えば、シャンプーをする際や川などでよく水遊びをする子などは耳の中に水が入ってしまう事がありますが、正常であれば頭を振ったりすることで外に出すので問題ありません。

しかし、何度も耳の中に水が入ってしまいうまく出すことができないと、耳の中が湿った状態が続き、感染を起こしやすく炎症が起きやすい状態になります。
また、体質が関係していることもあり、アレルギーなどがある子は幼い時から耳の痒みが慢性的に起きる場合があります。

では、どのように治療していけばいいのでしょうか? 最も有効なのは、耳を洗浄して健康な状態を保つことです。
状態によって、点耳薬や内服薬も併用しながら治療していきます。 もし、皮膚炎を起こしやすい基礎疾患が耳以外にもあるようなら、その疾患についても同時に治療していかないといけません。 なかなか一回の洗浄や治療で治ることは難しく、慢性化してしまうことが多い病気です。

重症になってくると、場合によっては外科的な治療も必要となることがあります。

予防としては、耳の異変に気づいたら早めに教えてもらい、定期的な洗浄や基礎疾患の治療をすることで悪化させないことが重要です。

獣医師 小坂

正常なきれいな耳
外耳炎を起こしている状態

咳をしている?ケンネルコフって?

 愛犬が、なんだか熱っぽく、咳をしていることが多い‥風邪でもひいたのかな?そんな症状がある場合、それは『ケンネルコフ』という病気かもしれません。  
ケンネルコフとは、ウイルスや細菌などの感染から起こる、伝染性の呼吸器疾患の総称です。  
症状がヒトの風邪に似ていることから、『犬風邪』とも呼ばれています。

ゲホゲホ・ゲーゲーといった、吐きたそうな咳をするのが特徴で、悪化してくると、発熱や元気食欲の低下、膿っぽい鼻水や目やにが出るといった症状が現れます。
特に、仔犬や老犬などはかかりやすいので注意が必要です。  
通常、犬は咳をしないため、咳をしだしたら動物病院で診てもらうことをおすすめします。

咳をする病気はケンネルコフだけでなく、心臓病やフィラリア症、犬ジステンパー、気管虚脱などの場合もあります。
放っておくと、重症化して肺炎になるおそれもありますので早めに受診しましょう。  

ケンネルコフの要因としては、さまざまな病原体が挙げられますが、そのいくつかのウイルスに対してはワクチンが開発されています。
そのため、予防の1つとして仔犬の頃からきちんとワクチン接種を行うことが重要です。
また、どの年齢であっても、定期的に健康診断を受けるとともに、愛犬の居住環境を常に清潔に保ってあげることが大切です。
特に冬場はウイルスが活性化しやすいので保温・保湿を心がけ、愛犬の体調が悪い日には外出を控えたり、散歩中に咳をしている犬との接触を避けるようにしましょう。

看護師 柳田


猫の回虫症

猫回虫症

回虫症とは、線虫に属する寄生虫の一種である回虫によって引き起こされる病気です。
回虫はヒトやイヌ、ネコなど多くの哺乳類の小腸に寄生する動物です。
猫に寄生する回虫はネコ回虫がほとんどで稀にイヌ小回虫も寄生します。

体内に侵入した回虫の卵は、小腸内で孵化して壁を突き破り、血管内を移動しながら肺に到達します。
そこで幼虫が成長した後、気管支や食道に移動し、再び飲み込まれることで腸管内に戻りそこで成虫になります

成虫になった回虫は宿主から栄養を盗み1日にたくさんの卵を産みます。
卵は便に紛れ体外に出ると再び宿主に取り込まれるのを待ちます。
体外に出たばかりの卵は感染力がありませんが2週間ほどで発育し感染できる成熟卵になります。 
成熟卵は砂や土の中で長い間生き続けることができます。
この卵を猫が食べたり成熟卵を食べたネズミや鳥を食べたりすることでも感染します。

その他母猫が回虫に寄生されていた場合母乳から子猫への感染が起こります。

症状   食欲不振 下痢、嘔吐(回虫も吐き出すこともあります) 
    腹痛 お腹のふくらみ 咳 体重減少 貧血 毛艶の悪化 子猫の発育不良

治療   治療としては駆虫薬を使用し体内の寄生虫を駆除します。


人獣共通感染症    猫回虫は人にも感染します。

免疫が弱い人が感染してしまうと虫卵が腸で孵化し発熱、咳、喘息やまれに視力障害など重症化する場合もあります。

感染は何らかの形で虫卵を口にしてしまった場合に起こります。
土を触った後の手洗いが不十分だったり、感染している猫に顔をなめられたりすることでも感染の可能性があります。



看護師 浅見

会陰ヘルニア

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアとは会陰部の筋肉が分離し、腸や膀胱などのお腹の中の臓器が出てきてしまうことでお尻周りが腫れてきてしまう疾患です。
筋肉の隙間から出てきた臓器を包んでいる膜はヘルニア嚢といいます。

会陰ヘルニアはワンちゃんで多く、特に去勢していない男の子でよく見られます。

症状としては、主に排便困難や排尿困難、しぶりなどがみられることがあります。
ヘルニア嚢内に脂肪組織だけが出てきている場合、お尻周りの腫れだけで特に症状が出ないこともありますが、
腸や膀胱が出てきている場合、そこでねじれてしまったりするとその部位で腸が壊死してしまったり、尿が出ずに尿毒症のような症状が出てしまう可能性もあります。

 治療としては、便秘を解消するために便軟化剤を用いたり、膀胱に針を刺したりカテーテルを用いることで尿を出してあげるなど、
症状に対する対症療法を行うことも可能ですが 長期的に管理することは難しく、根本的な治療を行うには手術で整復する必要があります。

本院では基本的に手術を行う際には病変側だけではなく、反対側もヘルニアの要因がないか切開して確認しています。
そのため、術後は下の写真の赤線のように青マルで囲まれた肛門の両側に傷口が見られます。

また会陰ヘルニアの手術を行う際には、未去勢の男の子の場合は再発率を下げるためにも去勢手術を同時に行うことが推奨されています。

 最近お尻周りが腫れてきたな、など何か気になることがあれば会陰ヘルニアの可能性もあるので早めに受診することをおすすめします。

獣医師 加藤


猫の扁平上皮腺癌

猫の扁平上皮癌 

 

最近口の周りがよだれで汚れている、
食べ方がいつもと違って飲み込みにくそう、
口臭がひどくなった、
血の混じったねばねばのよだれ
が出ている、
などの症状はありませんか?
 

 

これらは、口腔内に扁平上皮癌ができたときに見られる症状の例です。 

 

扁平上皮癌は、体の表面や皮膚の最上部を占めてい扁平上皮細が癌化したものです。 

 

鼻筋(鼻腔内)、耳、、唇、歯肉や舌(口腔内)、肺などに発生します。
白い毛の部分や毛の薄い部分にできやすく、
免疫力の低下した高齢の猫に多いといわれています。 

 

原因の詳細は不明ですが、過剰な紫外線を浴びること、大気汚染の影響、免疫力の低下、飼い主の喫煙などが考えられます。 

 

癌ができる部位によって症状は様々です。
ただの
引っかき傷やかさぶただと思っていたものがどんどん広がってくるということもあります。
鼻腔内にできた場合は鼻水やくしゃみ、鼻血などの症状が見られます。
癌だとわかりにくい初期症状がほとんどです。
 

癌が進行してくると、出血したり膿んだり、癌ができている部分が脱落してしまったりすることもあります。 

 

癌が小さく、体力がある場合は手術によって患部と周囲の組織を切除する外科的治療を行います。
癌が進行していて外科的に切除ができない場合や手術に耐えられる体力がない場合には抗がん剤や放射線による内科的治療、
QOL向上のための対症療法を選択することもあります。
癌が顔にできた場合は、胃にチューブを入れて給餌を行うことも必要になってきます。 

 

予防方法としては、紫外線の影響が多いとされているので、室内飼いを基本とすることと、猫がいるところでの喫煙を控えるといったことがあげられます。 

 

日頃からマッサージやブラッシング、歯ブラシを行うことで、毛や皮膚、口の中の状態をチェックすることがとても大切です。 

 

病院が苦手な猫ちゃんも多いと思いますが、定期的な健康診断を受けることも病気の早期発見につながります。 

小さな変化や違和感があれば、お気軽に病院にご相談ください。 

 

看護師 伊東



おなかがパンパン?!犬の胃拡張・胃捻転症候群

犬の胃拡張・胃捻転症候群

胃拡張とは、ガス・液体・食べたものによって胃がパンパンに膨らむことです。
拡張した胃がねじれた状態を胃捻転と言います。
胃拡張・胃捻転になるとご飯の後に元気がなくなり、お腹が張って苦しそうになります。
涎を垂らしたり、嘔吐したりすることもあります。

重度では血管が圧迫され、臓器の血流が障害されるため、ショック状態となり、数時間で死亡する可能性もあり、緊急を要します。

原因は様々ありますが、胸の深い超大型犬(グレートデンやシェパード・ド―ベルマンなど)や高齢のダックスフンドに多いと言われています。
超大型犬の場合は、お腹の中も広いため、ご飯を食べた後すぐに激しい運動をしたり、一度に大量に食べたりすると胃拡張から胃捻転を引き起こすケースが目立ちます。

一方、高齢のダックスフンドなどは、胃捻転まで進行することは少ないですが、体格のためか消化管の動きが低下したりしていると胃拡張をおこすことがあります。
どちらも、食後1~4時間でお腹が張ってきて、ぐったりして呼吸が荒くなります。
胃拡張の場合は、胃に直接針を刺してガスを抜き、同時に点滴療法を行います。
胃捻転になってしまった場合は、緊急手術が必要となります。
まず胃のガスを抜いた後、開腹して胃の捻じれを直し、再発を防ぐために固定します。

獣医師 松田


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